続いていって欲しい場所

 

華厳寺公園遊園地

群馬県にはなぜか小規模でレトロな遊園地が多いようで、 

伊勢崎市にあるこの遊園地もそのうちの一つである。 

入園料は無料、一番安い乗り物は確か50円からだったか。 

そんなだから当然、小学生には物足りないけれど、小さな子には実にちょうどいい。 

春休みだというのに人もまばらで、忙しくないからか園のスタッフも本当に親切で、

行列や人混みがなにより嫌いなわたしには、とても居心地の良い空間に感じられる。 

確かに失礼ながら寂れてはいるし、スリルはないし、つまらないと思う人は多いかもしれない。 

この現代の日本に、未だこのような遊園地が存在するなんて、奇跡的なことかもしれない。

でもわたしは、こんな奇跡がずっと続けばいいなと願わずにはいられなかった。


どこに行ってもチェーン店がどんと街を占拠している様を見ていると、

日本の町並みはどこも似たり寄ったりで、旅に出ても悲しくなることも多い。 

世の中には量産型のものが溢れ、次から次へと出てくる新しいもの、 

綺麗なものの渦にのまれて溺れてしまいそうにもなる。 

だからなのか、それとはどこか違うもの、昔懐かしいと感じるものに出逢うと、 

有難いなあとしみじみ感じ入ってしまう。


結局明くる日も、朝からここで軽く遊んでから、次の場所へと向かった。 

ここが、これから先もずっと、この地に残っていてくれたらいいなと願いながら。


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Author : DPaT